1985・夏 国鉄バスネットワークの記録 信越地方自動車部

2017-04-13

1985・夏 国鉄バスネットワークの記録 【301】十和田南線 1. S60.6時点の路線紹介 1.1 路線名称 ◇十和田南線   十和田南本線    1 盛岡−十和田インター−十和田湖    2 十和田インター−弘前バスターミナル    3 十和田南−川原ノ湯    4 川原ノ湯−大湯スキー場−四ノ岱   大館線    1 十和田南駅入口−大館    2 大館放送局前−バスターミナル−大館栄町   寺坂線    1 大湯温泉−陸中花輪    2 花輪中学校前−旭町−陸中花輪   白萩平線    1 中滝−田子   鉛山線    1 和井内−滝ノ沢展望台 1.2 路線略図                                十                            大 和 和 宇                            川 井 田 樽 青                            岱 内 湖 部 森                    滝ノ沢展望台○…○−○−○−○−>                              |   :                           発荷峠○ 白 ○清水頭         弘前バス                 | 萩 |         ターミナル                | 平 |田子           ○                中滝○…○…○…>           |                  |   |三戸         弘前◎           大湯     ・   V           |           スキー場  /   北福岡    バス     ・−・  ・−−−+    ○−+○    (→二戸)    ターミナル     \/  ◎−○十和田南| |四ノ岱    ・−○−・     /\十和田南|駅入口 | |    |   |    /  \   |    | |  大館○−−−○−−−・    ・  ○−−−−+−○大湯温泉  栄町|  大館放       | /川原ノ湯   |    |  送局前       |/        |  大館◎     十和田インター○         |                 |       ・−○花輪中学校前                 |       | |                 |     旭町○ |                 ○花輪     | |                 |     ◎−+−・                 |    陸中花輪                 |                 ◎盛岡  ※中滝〜田子、大川岱桟橋十和田プリンスホテル前〜滝ノ沢展望台は、休止中  ※青森〜宇樽部〜十和田湖は、十和田北線  ※北福岡〜田子中央は、田子線  ※三戸〜上同心町〜田子中央〜田子〜清水頭〜宇樽部は、十和田東線 2. 路線解説 2.1 当時の運行状況 ・十和田南線は、1934(S9)年8月5日に十和田線(青森〜和井内)の一部として、  休屋(→十和田湖)〜和井内が開業し、翌1935(S10)年に8月1日に十和田線の  一部として、和井内〜毛馬内(→十和田南)が開業したのがルーツである。 ・本路線は、国立公園十和田湖への南西方面からの観光開発路線としての使命  の他、地方産業文化の発展助長をも使命としていた。なお、観光開発の一環  として、戦前の1939(S14)年9月15日に鉛山線和井内〜十和田ホテルが開業し  ている。 ・1943(S18)年9月1日、鉄道花輪線が仙台鉄道局から新潟鉄道局に移管された  ことに伴い、十和田南線も新潟鉄道局に移管された。同時に、青森自動車区  毛馬内支区は毛馬内自動車区となった。 ・戦時中の1944(S19)年1月17日に原産地路線(貨物)として、鹿角線(毛馬内  町〜小坂町)が開業した。この路線は、輸送の隘路であった小坂鉄道の補助を  目的として鉱石輸送を実施した。 ・戦後は、1952(S27)年7月25日に大湯温泉〜陸中花輪(後の寺坂線)が開業し、  1953(S28)年8月15日には鉛山線十和田ホテル前〜銀山が延伸された。 ・1955(S30)年11月15日、十和田東線(→白萩平線)(中滝〜上田子)が開業  した。 ・「日本国有鉄道監修時刻表」1958(S33)年11月号(11/5訂補)では、十和田東線  に次のような系統が設定されていたのを確認できる。   中滝〜田子 2往復(所要2時間10分)     中滝発0941・1220、田子発1310・1540 ・田子町サイトの「田子町の年譜」には、1963(S38)年、国鉄バス十和田東線運行  開始とあり、「国鉄監修交通公社の時刻表」1964(S39)年9月号(8/20現在)に  よると、一戸〜北福岡〜上斗米〜田子〜白萩平〜中滝〜発荷峠〜休屋に次の2  往復が設定されていたのを確認できる。  (下り)    北福岡0830→1200休屋     一戸0910→1310休屋  (上り)    休屋1410→1740北福岡    休屋1540→1935一戸 ・「交通年鑑1961(S36)年版」には、旅客の結合輸送について、次のように述べら  れていた。   ◇座席指定観光乗車券を発売すると同時に、自動車路線の座席確保ができる    方法をとった。   ◇S35年4月から、準急「なすの号」運転に伴い、塩原営業所で「塩原号」を    接続運転して目的地塩原温泉まで座席確保を行い、旅客サービスを行った。   ◇また、十和田南・北線においては以前から定員輸送を行い、座席指定と同じ    効果をあげており、長野原線ではS35年4月から準急「草津号」運転に伴っ    て長野原〜草津で定員輸送を行い、スキー列車「銀嶺号」の運転にも同じ    措置をしている。 ・1961(S36)年12月5日には大館線十和田南〜大館が開業し、奥羽本線と大湯・  休屋地区が直結された。 ・1963(S38)年5月20日に鉛山線銀山〜滝ノ沢が延伸され、同年12月25日に川原ノ  湯〜大湯スキー場が開業した。さらに、1967(S42)年2月28日に大湯スキー場〜  五ノ岱が開業した。 ・「交通年鑑1967(S42)年版」には、現在ワンマンカーを運行している区間は次の  通りであり、今後とも乗務員の節減、営業事務の軽減簡素化を図るため、ワン  マンカーの導入を推進するよう努めていると述べられていた。         運行区間       往復回数  実施年月    十和田南〜大湯温泉        20    S41.7    長野原〜草津温泉          9    S41.6    京都〜栂ノ尾            9    S41.9    五条〜城戸             5    S41.10    高松〜松山             1    S41.11    高松〜松山             5    S41.11    広島センター〜呉本通13丁目    24    S41.9    光〜光警察署前           2.5   S41.9    光〜光警察署前(高校前経由)    2.5   S41.9    光〜室積             16    S41.9    防府〜山口〜湯田温泉        3    S41.9    防府〜山口〜湯田温泉(県庁前経由) 3.5   S41.9    防府〜山口             2    S41.9    防府〜山口(県庁前経由)      5.5   S41.9    嬉野温泉〜武雄          22    S41.8    嬉野温泉〜彼杵          17    S41.8    新大阪〜名古屋           5    S39.10 ・1970(S45)年7月現在ダイヤでは、十和田南線に次のような便が設定されていた  のを確認できる。  1) 休屋〜十和田南・大館    休屋〜十和田南 国鉄4.5往復、秋北1.5往復。    休屋〜大館 国鉄・秋北各3往復の計6往復。  2) 鉛山線    休屋〜滝ノ沢展望台 国鉄2往復。    休屋〜大川岱 国鉄3往復(他に休屋〜十和田ホテルに秋北3往復)。  3) 十和田南〜大湯温泉 国鉄が下り0554〜1955の間・上り0615〜2105の間頻繁    運転。  4) 大湯温泉〜陸中花輪 国鉄3往復(他に秋北3往復) ・横山茂三郎「71年は十和田・陸中でかせごう」(「国鉄線」1971年4月号所収)  によると、東京からの最短コースとしてスタートした十和田東線は、沿線に  迷ヶ平以外の景勝地がなく道路事情が悪かったこと等で1965(S40)年開通以来  評判はあまり芳しくなかった。そこで1971(S46)年度は、迷ヶ平経由のルート  とは別に、景勝「白萩平」及び十和田湖三大展望所の1つである発荷峠を経由  して休屋に至るルートを運行することにしたと述べられていた。 ・1972(S47)年7月末限りで貨物路線である鹿角線(毛馬内町〜小坂町)の廃止が  公示された。 ・「観光路線で活躍する国鉄バス」(「国鉄線」1973(S48)年2月号)には、全国  の主要観光路線(8地区)の輸送量と収入が、次のように載せられていた。          走行キロ(千km) 輸送人員(千人) 収入(百万円)          46実績 47見込  46実績 47見込  46実績 47見込   十和田(北南) 1,229 1,255 730 761  317 332   陸中海岸 84 87 72 101 16 23   白樺高原 822 846 627 697 156 183   塩原 360 395 511 562 67 74   志賀草津 1,222 1,321 2,530 2,720 320 440   南房州 437 466 1,285 1,378 83 93   奥能登 324 353 134 142 68 92   桜島 58 65 47 61 11 14  同記事には、十和田北線は、群を抜いて人気の高い十和田湖畔へのメインルート  として、文字通り国鉄バスのドル箱路線となっている、十和田南線は通年運行で、  冬の十和田湖を楽しむ観光客にとって欠くことのできないコースとなっている、  と述べられている。  また、列車との結合輸送には特に重点を置いて、優等列車に接続する国鉄バスの  乗車便予約の電算化(十和田北線)、団体客のみを対象とした青森〜十和田南間  の直通輸送、大館における優等列車「きたぐに」との接続便の設定、「十和田ル  ート周遊券」の発売を実施して旅客誘致に努めていると述べられている。 ・1973(S48)年5月1日に滝の沢〜滝の沢展望台、同年8月1日に大館栄町〜バス  ターミナル〜大館放送局前、同年10月20日に花輪中学校前〜旭町〜陸中花輪の  各区間が開業した。 ・1975(S50)年から十和田南線「とわだこ号」(大館・十和田南〜十和田湖)に  自動車指定券制度が導入され、マルスに収容されていた。 ・1976(S51)年4月改正ダイヤでは、十和田南線に次のような便が設定されてい  たのを確認できる。  1) とわだこ1〜27号     休屋〜十和田南 国鉄・秋北合わせて8往復(201〜216便)。     休屋〜大館 国鉄・秋北合わせて6往復(101〜112便)。  2) 鉛山線     休屋〜滝ノ沢展望台 国鉄・秋北合わせて2往復。     休屋〜大川岱 国鉄・秋北合わせて3往復。  3) 十和田南〜大湯温泉 国鉄17往復  4) 大湯温泉〜陸中花輪 国鉄4往復(他に秋北5往復) ・白萩平線については、1976(S51)年は4/27〜11/4の間に次の1往復が運行されて  いた(往路は十和田東線経由)。  (下り)    一戸0746→北福岡0805→金田一0825→三戸0850→迷ヶ平1012→宇樽部1033    →1054十和田湖  (上り)    十和田湖1500→発荷峠1525→中滝・白萩平経由→三戸1703→金田一1727→    1745北福岡  また、同年7/20〜10/17の間、陸中海岸と十和田湖を結ぶ「十和田陸中号」が、  十和田東線・白萩平線経由で次のように1往復設定されていた。  (下り)    北山崎1020→久慈1240→軽米1348→金田一1424→発荷峠1610→1628休屋  (上り)    休屋0810→発荷峠0835→金田一1014→軽米1052→久慈1300→1426北山崎 ・横江明「国鉄自動車(その6)−シリーズ 営業を考える−」(「国鉄線」  1976(S51)年8月号所収)には、観光路線の輸送手配について、次のように  述べられていた。  「旅客の集中する時期においては、その観光路線を担当する一地方局・部   の輸送能力では、輸送力的に対応できず、本社の輸送手配によって、輸   送力を整備充実させているのが現状である。」  「現在、本社手配によって輸送力を集中させている箇所としては、国鉄自   動車最大の観光路線である十和田南・北線、白樺高原線がある。また、   地方局・部独自に輸送力の集中手配を行っている路線としては、北海道   のえりも観光の日勝線、東北のリアス海岸観光の陸中海岸線、関東の草   津温泉を中心とした志賀草津高原線、もみじラインの塩原線、南房観光   の南房州線、能登観光の奥能登線、小浜観光の若江線、高雄のもみじラ   イン観光の京鶴線、奥熊野観光の熊野線、松山高知観光の松山高知急行   線、陰陽連絡の防長線、秋芳洞観光の秋吉線、桜島観光の桜島線等があ   げられる。」  「このような路線についての手配を車両でいうと、新製車両を重点的にこ   うした観光路線に配属し、ピーク輸送終了後、各営業所に再配属すると   いう輸送手配である。」 ・「国鉄自動車50年史」によると、十和田南線には、十和田北線と同様新製車両  を一旦配属し、春・夏・秋の波動輸送に充当した後に、11月頃から一般路線に  再配属する仕組み(いわゆる「十和田方式」)が取られていた。  例えば、1979(S54)年度には、第一次配属として十和田南自営に5型車15両が  充当された後、最終配属として3両が鍛冶屋原自営に、10両が直方・鹿児島両  自営に配置された。 ・1980(S55)年8月現在ダイヤでは、十和田南線に次のような便が設定されてい  たのを確認できる。  1) とわだこ1〜27号     十和田湖〜十和田南 国鉄7.5往復、秋北2往復の計9.5往復(201〜216      便、1101便)。     十和田湖〜大館 国鉄・秋北各3往復の計6往復(101〜112便)。  2) 鉛山線     十和田湖〜滝ノ沢展望台 国鉄・秋北合わせて2往復。     十和田湖〜大川岱 国鉄・秋北合わせて3往復。     十和田湖〜十和田ホテル前 国鉄・秋北合わせて3往復。   3) 十和田南〜大湯温泉 国鉄13.5往復  4) 大湯温泉〜陸中花輪 国鉄4往復(他に秋北3往復) ・白萩平線については、1980(S55)年の秋季は、9/13〜10/12の間、次の1往復が  運行されていた(往路は十和田東線経由)。  (下り)    一戸0746→北福岡0805→金田一0825→三戸0850→迷ヶ平1012→宇樽部1033    →1054十和田湖  (上り)    十和田湖1500→発荷峠1523→中滝・白萩平経由→三戸1703→金田一1727→    1745北福岡 ・実国良弘(1982)「国鉄バスと東北新幹線の連けい輸送」(『国鉄線』1982年7月  号所収)によると、1980(S55)年度の主要観光路線の輸送状況は、次の通りであ  った。      区    間      運行回数 所要時間 輸送人員  収入    青森・浅虫〜十和田湖    12.5往復  3:30   36万人  5.0億円    十和田南・大館〜十和田湖  10.0往復  2:20   27万人  1.8億円     久慈〜盛岡          4.0往復  3:30 16万人 1.6億円    岩泉〜盛岡          2.0往復 3:00 5万人 0.4億円    象潟〜鉾立(鳥海山)     4.0往復 0:50 2万人 0.1億円    小国〜飯豊梅花皮荘(朝日岳) 4.0往復 0:54 4万人 0.1億円    西那須野〜塩原温泉・鬼怒川 27.0往復 2:10 120万人 34.0億円    白石〜磐城角田       10.0往復 0:45 31万人 0.4億円    白河〜磐城棚倉       37.5往復 0:44 149万人 24.0億円 ・1982(S57)年6月23日の東北新幹線大宮〜盛岡開業に伴い、新幹線と直結した一環  輸送を行って、十和田南・北線の鉄道線培養の使命を果たすため、同日から、盛岡  〜十和田南〜十和田湖を直通する(東北道〜R282経由)高速バス「とわだこ号」の  運行(国鉄・秋北・県北各1往復)を開始した(十和田南本線十和田南〜花輪〜盛  岡の新線が開業した)。 ・東北道の延伸につれて、高速バス「とわだこ号」は高速道路への載せ替えを行い、  1985(S60)年当時は盛岡IC〜十和田ICを東北道経由で運行していた。 ・東北道の延伸に伴う高速バス「とわだこ号」の高速道載せ替えの経緯は、次の通り  であった。  ◇1982(S57).10.20 十和田南本線盛岡〜花輪間(90.8km)開業(S57.10.12公示   第128号)。西根IC〜東北道〜安代IC〜R282〜花輪経由に経路変更。所要時間   2時間40分に短縮。  ◇1983(S58)年8月ダイヤ改正から4往復増便(国鉄3往復、県北・秋北各2往復   の全7往復)。  ◇1983(S58).10.21 十和田南本線盛岡〜花輪間(86.6km)開業(S58.10.19公示   第101号)。安代IC〜東北道〜鹿角八幡平IC〜R282〜花輪経由に経路変更。  ◇1984(S59).09.28 十和田南本線盛岡〜大湯温泉間(103.5km)開業。鹿角八幡   平IC〜東北道〜十和田IC〜R103〜大湯温泉経由に経路変更。所要時間2時間15   分に短縮。盛岡86.7花輪9.1十和田インター7.7大湯温泉(S59.09.26公示第73号)。 ・1982(S57)年4月現在の「十和田東・西・南・北線及び遊覧船時刻表」によると、  次のような便が設定されていたのを確認できる。  1) 十和田南本線     大館〜十和田湖 国鉄・秋北各3往復の計6往復(101〜112便)。     十和田南〜十和田湖 国鉄5.5往復、秋北2往復の計8.5往復(201〜216      便。215便は欠)。  2) 鉛山線     十和田湖〜大川岱 国鉄2往復。 ・1982(S57)年の「国鉄監修」時刻表では、三戸ルートは南部バスのみの設定とな  っており、この頃に国鉄バスの白萩平線は長期休止になった模様である。なお、  1984(S59)年頃の「自動車線普通旅客運賃表」の白萩平線の項には、運賃の記載  がなく、長期休止中であると解される。 ・1985(S60)年3月14日の東北新幹線上野開業に合わせて、十和田南線の新ルートと  して、盛岡〜弘前を東北道経由で結ぶ高速バス「ヨーデル号」(国鉄3往復、弘南  ・県北各2往復、県交1往復の計9往復)を開業した。これによって、首都圏と  弘前地区は、新幹線と高速バスを乗り継ぐことで5時間45分で結ばれた。開業後、  約半年で民営バスと合わせて既に10万人を輸送したと述べられていた(「交通年鑑  1986年版」による)。 ・この時のダイヤは、国鉄・弘南各3往復、県北2往復、県交1往復の全9往復で、  このうち、国鉄便のダイヤは次の通りであった。  (下り)    盛岡0840→弘前BT1125    盛岡1140→弘前BT1425    盛岡2040→弘前BT2325  (上り)    弘前BT0850→盛岡1135    弘前BT1250→盛岡1535    弘前BT1650→盛岡1935 ・1985(S60)年3月20日、信越地方自動車部が廃止され、十和田南線を含む十和田南  自営は東北地方自動車部に移管された。 ・高速バス「とわだこ号」の1985(S60)年4月15日改正ダイヤ(〜同年11.10.国鉄3  往復、県北・秋北各2往復の全7往復)のうち、国鉄便は次の通りであった。  (下り)    盛岡0850→十和田湖1105 71号    盛岡1350→十和田湖1605 81号    盛岡1550→十和田湖1805 85号  (上り)    十和田湖1020→盛岡1235 74号    十和田湖1220→盛岡1435 78号    十和田湖1320→盛岡1535 80号 ・1985(S60)年8月現在ダイヤでは、十和田南線では次のような便が設定されてい  たのを確認できる。  1) 十和田湖〜盛岡「とわだこ71〜85号」     国鉄3往復、秋北・県北各2往復の計7往復(301〜315便。77号は欠)。  2) 十和田湖〜十和田南〜大館「とわだこ1〜20号」     十和田湖〜十和田南 国鉄5往復、秋北1往復の計6往復(201〜212便)。     十和田湖〜大館 国鉄・秋北各2往復の計4往復(101〜108便)。  3) 十和田湖〜大川岱 国鉄2往復(10/31まで運転)。  4) 十和田南〜大湯温泉 国鉄20往復。  5) 大湯温泉〜陸中花輪 国鉄4.5往復(他に秋北4往復)。  6) 盛岡〜弘前バスターミナル「ヨーデル号」     国鉄3往復、弘南・県北各2往復、県交1往復の計9往復。 ・1985(S60)年当時、(自)盛岡、大湯温泉及び十和田湖に自動車駅が存在していたが、  このうち、(自)盛岡と十和田湖の両駅は現存している。また、国鉄バス運行の拠点  として、十和田南自動車営業所(十和田南)、沼宮内自動車営業所盛岡在勤(盛岡)  が置かれていた。 2.2 旅から30年 ・高速バス「とわだこ号」の1986(S61).04.15改正ダイヤ(〜同年11.10.国鉄3往復、  県北・秋北各2往復、県交1往復の全8往復)のうち、国鉄便は次の通りであった。  (下り)    盛岡0850→十和田湖1105 71号    盛岡1250→十和田湖1505 79号    盛岡1450→十和田湖1705 83号  (上り)    十和田湖0920→盛岡1135 72号    十和田湖1120→盛岡1335 76号    十和田湖1320→盛岡1535 80号 ・1986(S61)年7月末に東北道十和田IC〜碇ヶ関IC開通し、高速バス「ヨーデル号」は、  この区間をR282(坂梨峠)経由から東北道経由に経路変更を行った。 ・高速バス「ヨーデル号」は、この時のダイヤ改正で4往復増便され、国鉄・弘南各4  往復、県北3往復、県交2往復の全13往復となった。このうち、国鉄便のダイヤは、  次の通りであった。  (下り)    盛岡0840→弘前BT1055    盛岡1240→弘前BT1455    盛岡1840→弘前BT2055    盛岡2040→弘前BT2255  (上り)    弘前BT0730→盛岡0945    弘前BT1030→盛岡1245    弘前BT1230→盛岡1445    弘前BT1630→盛岡1845 ・十和田南線は長期休止中の区間を含めて、国鉄民営化及び自動車分離を経て、JRバス  東北に継承された。このうち、高速バスの運行区間は、1987(S62)年8月1日の「あす  なろ号」(観光物産館〜盛岡駅前)開業時に「東北高速線」に再編成された。 ・高速バス「とわだこ号」の1987(S62).04.15改正ダイヤ(〜同年11.10.JR3往復、  県北・秋北各2往復、県交1往復の全8往復)のうち、JR便は次の通りであった。  (下り)    盛岡0850→十和田湖1105 71号    盛岡1350→十和田湖1605 81号    盛岡1550→十和田湖1805 85号  (上り)    十和田湖1020→盛岡1235 74号    十和田湖1220→盛岡1435 78号    十和田湖1320→盛岡1535 80号 ・高速バス「ヨーデル号」は、1989(H01)年5月のダイヤ改正で2往復増便され、JR・  弘南・県北各4往復、県交3往復の全15往復となった。このうち、JR便のダイヤは  次の通りであった。  (下り)    盛岡0840→弘前BT1055    盛岡1240→弘前BT1455    盛岡1840→弘前BT2055    盛岡2040→弘前BT2255  (上り)    弘前BT0715→盛岡0930    弘前BT1015→盛岡1230    弘前BT1215→盛岡1430    弘前BT1615→盛岡1830 ・1990(H2)年8月1日に鉛山線(和井内〜滝ノ沢展望台)が休止(後に廃止)されるとと  もに、同日付けで白萩平線(中滝〜田子)が廃止された。 ・高速バス「とわだこ号」の1991(H03).04.15改正ダイヤ(〜同年11.10.JR3往復、  県北・県交・秋北各2往復の全9往復)のうち、JR便は次の通りであった。  (下り)    盛岡0750→十和田湖1005 69号    盛岡1350→十和田湖1605 81号    盛岡1550→十和田湖1805 85号  (上り)    十和田湖0920→盛岡1135 72号    十和田湖1120→盛岡1335 76号    十和田湖1220→盛岡1435 78号 ・高速バス「とわだこ号」は、1992(H04).11.11改正から冬季ダイヤでも運行開始した  (〜1993.04.04.JRのみ1往復)。  (下り)    盛岡1350→十和田湖1620 81号  (上り)    十和田湖1020→盛岡1250 74号 ・高速バス「とわだこ号」は、1993(H05).11.11改正から盛岡〜谷地温泉の運行を開始  した(〜1994.03.31.JRのみ1往復)。翌年から冬季ダイヤでの運行はなかった。  (下り)    盛岡1350→十和田湖1620/25→谷地温泉1750 81号  (上り)    谷地温泉0750→十和田湖0915/20→盛岡1150 72号 ・高速バス「とわだこ号」の1994(H06).04.01改正ダイヤ(〜同年11.10.JR3往復、  県北・県交・秋北各2往復の全9往復)のうち、JR便は次の通りであった。  (下り)    盛岡1100→十和田湖1315 75号※    盛岡1300→十和田湖1515 79号    盛岡1500→十和田湖1715 83号  (上り)    十和田湖0820→盛岡1035 70号    十和田湖1020→盛岡1235 74号    十和田湖1520→盛岡1735 84号※     ※は1994.04.27から運転。 ・1996(H8)年2月1日に大館線が廃止され、大館駅からJRバスが消えた。翌1997(H9)年  12月16日には寺坂線が廃止された。 ・高速バス「とわだこ号」は、1997(H09).04.01改正から3往復減便(〜同年11.10.JR  ・県交各2往復、県北・秋北各1往復の全6往復)された。このうち、JR便は次の通  りであった。  (下り)    盛岡1300→十和田湖1515 79号    盛岡1400→十和田湖1615 81号  (上り)    十和田湖0920→盛岡1135 72号    十和田湖1020→盛岡1235 76号 ・高速バス「とわだこ号」は、1998(H10)年4月改正から2往復減便(〜同年11.10.JR  ・県交・県北・秋北各1往復の全4往復)された。このうちJR便は次の通りであった。  (下り)    盛岡1400→十和田湖1615 77号  (上り)    十和田湖1020→盛岡1235 72号 ・高速バス「ヨーデル号」は、2002(H14).12.01改正ではJR・弘南・県北各4往復、県交  3往復の全15往復が設定されていた。このうち、JR便のダイヤは次の通りであった。  (下り)    盛岡0935→弘前BT1155    盛岡1235→弘前BT1455    盛岡1835→弘前BT2055    盛岡2150→弘前BT0010  (上り)    弘前BT0650→盛岡0910    弘前BT1050→盛岡1310    弘前BT1350→盛岡1610    弘前BT1650→盛岡1910 ・残された区間についても、2003(H15)年3月末限りで、十和田南営業所の廃止に伴って、  高速バス「とわだこ号」以外の運行が廃止された。なお、高速バス「とわだこ号」も  2006(H18)年4月1日から運行を取りやめ、十和田南地区からJRバスは姿を消した。 ・高速バス「とわだこ号」は、2003(H15).10.01改正から盛岡駅西口発着に変更された。  このうちJR便は次の通りであった。  (下り)    盛岡駅西口1440→十和田湖1652 75号  (上り)    十和田湖0900→盛岡駅西口1112 70号 ・高速バス「ヨーデル号」も、2003(H15).10.01改正から盛岡駅西口発着に変更された。  このうちJR便は次の通りであった。  (下り)    盛岡駅西口0940→弘前BT1155    盛岡駅西口1235→弘前BT1450    盛岡駅西口1835→弘前BT2050    盛岡駅西口2150→弘前BT0005  (上り)    弘前BT0655→盛岡駅西口0910    弘前BT1055→盛岡駅西口1310    弘前BT1355→盛岡駅西口1610    弘前BT1655→盛岡駅西口1910 ・高速バス「ヨーデル号」は、2010(H22).12.01改正から4往復減便されて、JR・弘南  ・県北各3往復、県交2往復の全11往復となった。 ・さらに、2011(H23).10.01改正から3往復減便されて、JR・弘南・県北・県交各2往  復の全8往復となった。このうち、JR便のダイヤは次の通りであった。  (下り)    盛岡駅西口0920→弘前BT1135    盛岡駅西口1840→弘前BT2055  (上り)    弘前BT0855→盛岡駅西口1110    弘前BT1355→盛岡駅西口1610 ・2014(H26)年02月28日限りで「ヨーデル号」からJRバス東北が撤退した。 2.3 旅の考察 ・寺坂線の花輪中学校前〜陸中花輪は一方通行の関係で上下で経路が異なるが  営業キロは双方とも2.0kmで同じであった(下り便(陸中花輪行き)が新町  経由、上り便(大湯温泉・十和田南行き)が旭町経由)。 ・大館線の大館栄町〜大館放送局前は直行経路では営業キロ1.4kmのところ、  バスターミナル経由では2.8kmと2倍になっていた。 ・1984(S59)年頃の「自動車線普通旅客運賃表」の鉛山線の項には、滝ノ沢展  望台までの運賃の記載がなく、大川岱〜滝ノ沢展望台は長期休止中であった  と解される。 ・1984(S59)年頃の「自動車線普通旅客運賃表」によると、十和田南本線の大湯  温泉、発荷峠、和井内、十和田ユースホステル前、中ノ岱、神田川及び十和田  湖、鉛山線の十和田ホテル前、さざ波山荘前及び大川岱の各駅は途中下車駅と  されていた。 ・1984(S59)年頃の「自動車線普通旅客運賃表」によると、「とわだこ1〜21  号」に便の始発駅(大館、十和田南及び十和田湖)から乗車する場合はバス  指定料金(200円)を別途収受するとされている。また、「とわだこ71〜85  号」に盛岡及び十和田湖から乗車となる場合は、バス指定料金(200円)を  別途収受するとされている。なお、「とわだこ71〜85号」は花輪・十和田湖  間内相互発着となる旅客は取扱わないとある。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1985(S60)年9月号の十和田南線「ヨーデル  号」の欄には、「◎各社の乗車券・国鉄線との通しきっぷ、普通周遊券、ワ  イド周遊券は各社共通使用できます。」との注記が付されていた。

1985・夏 国鉄バスネットワークの記録 【302】鳥海線 1. S60.6時点の路線紹介 1.1 路線名称 ◇鳥海線    1 象潟−鉾立    2 象潟−浜山    3 浜山−御嶽公園    4 梨ノ木台−羽後小滝−横岡    5 羽後小滝−羽後長岡 1.2 路線略図              ・−−−−○新町             /役場前  |          浜山○−−○−+−+            |    | ◎象潟            |中学校前|        体育館前○−○−−○TDK前           /|       汐見町○ |           \|            ○御嶽公園            |            ○梨ノ木台           / \      羽後小滝○   ○新羽後小滝          |   |      白滝館前○−−−+−○−−○羽後長岡          |  / 学校前          ・−+           /           /     奈曽滝前○        / \       ・   ○羽後本郷       |    \     霊峰○     ○横岡       |       |     鉾立○ 2. 路線解説 2.1 当時の運行状況 ・鳥海線は、1944(S19)年6月15日に象潟〜横岡、象潟〜百目木が原産地(貨物)  路線として開業したのがルーツで、その後バスを運行し、象潟を中心とした観  光開発及び地方産業文化の発展助長を使命としていた。 ・国鉄新潟支社(1967)「三十年史」によると、鳥海線は鳥海山麓に散在する褐鉄  輸送の使命を帯びて誕生したと述べられている。また、戦後、交通機関に恵ま  れない沿線住民からトラックによる人員輸送の要請が出され、幾多の経緯をへ  てその要望に応え、1948(S23)年7月からトラックによる人員輸送を開始した  とある。これが鳥海線の旅客輸送の起源となったと述べている。 ・象潟町(2001)「象潟町史・通史編下」によると、路線開設の目的は小滝鉱山等  の鳥海山麓の資源開発や産業振興にあり、当初は代用燃料(木炭)トラック8  両と要員38名で褐鉄鉱等を輸送したと述べられている。また、太平洋戦争の終  結後は幌付きトラックに住民を乗せて運行するようになり、1950(S25)年8月に  は木炭代用燃料バス3両が導入されたとある。 ・1950(S25)年8月25日、象潟〜横岡で旅客営業を含む一般運輸の開始が公示された。 ・1957(S32)年9月1日に羽後小滝〜羽後長岡、奈曽滝前〜西本郷〜上浜が開業  した(西本郷〜上浜は1970(S45)年7月12日廃止)。 ・1959(S34)年8月5日に西本郷〜霊峰が、1960(S35)年7月28日に霊峰〜木立ヶ原  がそれぞれ開業し、1961(S36)年12月25日に木立ヶ原〜鉾立が延伸された。いずれ  も運行期日は信越地方自動車事務所長が定めるとされ、期間限定の運行であった。 ・この間、1960(S35)年5月27日に象潟〜浜山住宅前(南回り)が開業した。 ・「日本国有鉄道監修時刻表」1961(S36)年9月号(7/1訂補)によると、鳥海線に  は次のような系統が設定されていたのを確認できる。    象潟〜鉾立 2往復(9/10まで運転)     象潟発0736,1226 鉾立発1020,1500 所要1時間20分    象潟〜横岡 7往復    象潟〜長岡 下り2本・上り3本    象潟〜小滝 1往復 ・1967(S42)年6月9日に鉾立〜鳥ノ海が開業した。 ・1972(S47)年10月1日、羽後小滝〜奈曽滝前が経路変更された他、梨ノ木台〜新  羽後小滝〜羽後小滝、新羽後小滝〜奈曽滝前の各区間が開業した。 ・実国良弘(1982)「国鉄バスと東北新幹線の連けい輸送」(『国鉄線』1982年7月  号所収)によると、1980(S55)年度の主要観光路線の輸送状況は、次の通りであ  った。      区    間      運行回数 所要時間 輸送人員  収入    青森・浅虫〜十和田湖    12.5往復  3:30   36万人  5.0億円    十和田南・大館〜十和田湖  10.0往復  2:20   27万人  1.8億円     久慈〜盛岡          4.0往復  3:30 16万人 1.6億円    岩泉〜盛岡          2.0往復 3:00 5万人 0.4億円    象潟〜鉾立(鳥海山)     4.0往復 0:50 2万人 0.1億円    小国〜飯豊梅花皮荘(朝日岳) 4.0往復 0:54 4万人 0.1億円    西那須野〜塩原温泉・鬼怒川 27.0往復 2:10 120万人 34.0億円    白石〜磐城角田       10.0往復 0:45 31万人 0.4億円    白河〜磐城棚倉       37.5往復 0:44 149万人 24.0億円 ・信越地方自動車部の廃止に伴って、1985(S60)年3月20日に、鳥海線は東北地方  自動車部に移管された。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1985(S60)年9月号(8/1現在)によると、鳥海線に  は次のような系統が設定されていたのを確認できる。    象潟〜鉾立 3往復(10/20まで運転、うち1往復は8/25〜10/20の休日運転)    象潟〜横岡 9往復(うち1往復は10/20まで運転) ・1985(S60)年当時、国鉄バス運行の拠点として象潟自動車営業所(象潟町内)が  置かれていた。 2.2 旅から30年 ・国鉄民営化及び自動車分離を経て、鳥海線はJRバス東北に継承された。 ・「JR時刻表」1995(H7)年3月号(2/1現在)によると、鳥海線には次のような系統  が設定されていたのを確認できる。    象潟〜横岡 下り7本(うち休日運休2本)・上り8本(うち休日運休3本)    ※象潟〜鉾立は運休中との注記あり。 ・1995(H7)年3月末限りで、羽後本郷〜本郷〜西本郷、西本郷〜象潟病院前を含めて、  鳥海線は全廃となった。 ・象潟町前掲書によると、昭和後半のマイカー普及で年々乗車率が下がり、JRバ  ス東北では既に1993(H5)年に象潟営業所と鳥海線の廃止を決定したと述べられて  いる。廃止に先立って1995(H7)年3月4日夜、象潟町横岡集落穀物倉庫で住民ら  約30人による「さよならパーティー」が開催され、この席には国鉄バスOBも招  待されたとある。 ・「交通年鑑1996年版」によると、1994(H6)年12月に象潟営業所の代替として、秋田  市内に秋田営業所が開設され、象潟営業所の全事業は1995(H7)年3月末をもって、  51年間の営業を終結したと述べられている。 2.3 旅の考察 ・1977(S52)年8月の「駅営業範囲一覧」によると、鳥海線には接続駅(象潟)の  み置かれていた。 ・1983(S58)年9月現在の鳥海線路線図及び1984(S59)年頃の自動車線普通旅客運賃  表の営業キロから見て、各区間の経路は次の通りと解される。   第1区間 象潟〜役場前〜浜山〜体育館前〜御嶽公園〜梨ノ木台〜新羽後小滝        〜新農協前〜奈曽滝前〜鉾立   第2区間 象潟〜新町〜浜山   第3区間 浜山〜体育館前〜汐見町〜御嶽公園   第4区間 梨ノ木台〜羽後小滝〜白滝館前〜農協前〜奈曽滝前〜横岡   第5区間 羽後小滝〜白滝館前〜学校前〜羽後長岡  なお、象潟〜中学校前〜体育館前に相当する区間は、当時の国鉄自動車路線名称  には見当たらない。 ・1983(S58)年9月現在の鳥海線路線図によると、鉾立及び羽後本郷に簡易委託販売  所が設置されていた。

1985・夏 国鉄バスネットワークの記録 【303】小国線 1. S60.6時点の路線紹介 1.1 路線名称 ◇小国線    1 小国−朝日平    2 小国−二本柳    3 沖庭小学校前−金目    4 長沢−羽前焼山    5 小国−飯豊梅花皮荘    6 小国−上大滝 1.2 路線略図  羽前焼山  長沢    ○−−−○−−−○朝日平        |    沖庭小前○−−−○金目        |        ○二本柳  玉川口  /|   ◎−−+−◎−−−○町原   |    小   |   |    国   ○上大滝   |   ○長者原   |   ○飯豊梅花皮荘   |   ○飯豊山荘 2. 路線解説 2.1 当時の運行状況 ・小国線は、1951(S26)年4月1日に小国〜荒沢(→長沢)、小国〜長者原が開業  したのがルーツで、磐梯朝日国立公園・小国郷の観光及び地方産業の開発助長を  使命としていた。 ・1954(S29)年7月20日に小国〜箱口が開業し、同年9月28日には長者原〜泡ノ湯  が延長開業した。 ・1956(S31)年9月20日、荒沢〜五味沢及び箱口〜下大石沢が延長開業した。1959  (S34)年6月1日には下大石沢〜大石沢が延長開業した。 ・1962(S37)年9月15日に針生〜金目が開業し、翌1963(S38)年6月1日から樋沢〜  三面が開業した(同区間は1970(S45)年12月15日限りで廃止)。 ・1971(S46)年7月17日、小国〜飯綱橋〜片岩が廃止され、小国〜飯綱橋及び小国  〜光岳寺前〜片岩が開業した(経路変更)。 ・1972(S47)年4月9日、栃倉〜驚が越中里〜長沢経由に変更される(旧線廃止)  とともに、長沢〜羽前焼山が開業した。 ・1973(S48)年5月1日、発電所前〜泡の湯温泉及び市野々〜箱ノ口が廃止された。 ・1974(S49)年4月4日から町原〜上大滝が延長開業した。 ・1979(S54)年4月1日から飯豊登山口を長者原に改称し、長者原〜飯豊梅花皮荘  が延長開業した。 ・実国良弘(1982)「国鉄バスと東北新幹線の連けい輸送」(『国鉄線』1982年7月  号所収)によると、1980(S55)年度の主要観光路線の輸送状況は、次の通りであ  った。      区    間      運行回数 所要時間 輸送人員  収入    青森・浅虫〜十和田湖    12.5往復  3:30   36万人  5.0億円    十和田南・大館〜十和田湖  10.0往復  2:20   27万人  1.8億円     久慈〜盛岡          4.0往復  3:30 16万人 1.6億円    岩泉〜盛岡          2.0往復 3:00 5万人 0.4億円    象潟〜鉾立(鳥海山)     4.0往復 0:50 2万人 0.1億円    小国〜飯豊梅花皮荘(朝日岳) 4.0往復 0:54 4万人 0.1億円    西那須野〜塩原温泉・鬼怒川 27.0往復 2:10 120万人 34.0億円    白石〜磐城角田       10.0往復 0:45 31万人 0.4億円    白河〜磐城棚倉       37.5往復 0:44 149万人 24.0億円 ・1984(S59)年3月末限りで町原〜大石沢の廃止が公示された。 ・1985(S60)年3月20日、信越地方自動車部の廃止に伴って、小国支所を含む象潟  自動車営業所は東北地方自動車部に移管された。 ・1985(S60)年当時、小国線には自動車駅は存在しなかったが、1983(S58)年の小国  線路線略図によると、長者原に簡易委託販売所が存在した。 ・また、国鉄バス運行の拠点として、象潟自動車営業所小国支所(小国町内)が  置かれていた。 ・1985年当時、飯豊山登山者の足として飯豊梅花皮荘(いいでかいらぎそう)〜飯  豊山荘間はシーズン日のみの運行だった。 2.2 旅から30年 ・1986(S61)年12月の「国鉄自動車路線名称」全面改正で、長沢〜羽前焼山が認知  された。 ・国鉄民営化及び自動車分離を経て、小国線はJRバス東北に継承された。 ・1995(H7)年3月末限りで、に最後まで残った小国〜朝日平・羽前焼山、小国〜  飯豊梅花皮荘・飯豊山荘が廃止されて小国線は全廃となった。 ・なお、小国営業所は小国線廃止後も貸切バス事業を行っていたが、同年10月に  小国町から借り受けていた用地の一部について、再開発に伴い返還の要請を受  けて 、45年の歴史に幕を下ろすこととなった。 ・1996(H8)年4月に小国営業所は廃止され、貸切バス事業は同年4月に山形県東  根市に新設された山形営業所に引き継がれた。 2.3 旅の考察 ・1977(S52)年8月の「駅営業範囲一覧」によると、小国線には接続駅(小国、玉  川口及び伊佐領)のみ置かれていて、委託駅(自動車駅)は置かれていなかった。 ・当時、小国〜二本柳は、第1区間の小国〜朝日平の一部と第2区間の小国〜二  本柳の2つのルートが存在していた。1984(S59)年頃の「自動車線普通旅客運賃  表」の小国線の項を見ると、第1区間の小国〜二本柳は2.0km、第2区間では  1.7kmと記載されている。国鉄末期の小国線路線略図によると区間距離は、小国  0.7電興前1.0二本柳、小国1.0飯綱橋1.0二本柳と描かれていることから、第1  区間(小国〜朝日平)は飯綱橋経由、第2区間(小国〜二本柳)は電興前経由  であると解される。 ・第2区間(小国〜二本柳)と第5区間(小国〜飯豊梅花皮荘)の分岐点である  本町は乗降場であるが、仮に本町が停車場であったならば、小国〜電興前〜二  本柳〜飯綱橋〜本町〜玉川口という経路をとることが可能であり、距離も伸び  たものと思われる。

1985・夏 国鉄バスネットワークの記録 【304】白樺高原線 1. S60.6時点の路線紹介 1.1 路線名称 ◇白樺高原線   白樺高原本線    1 小諸−望月−西白樺湖−霧ヶ峰−東餅屋−扉峠−美ヶ原落合−山本小屋     −美ヶ原美術館    2 小諸−県立農大前−芦田−長窪古町    3 小諸大久保−保養センター    4 鴇久保口−山浦    5 観音坂−東塩沢    6 立科野方−宇山    7 西白樺湖−大門落合    8 大門追分−鷹山   蓼科高原線    1 蓼科牧場−南平−蓼科温泉    2 南平−東白樺湖   霧ヶ峰線    1 霧ヶ峰−上諏訪 1.2 路線略図                            ○山本小屋                  下諏訪       | 上諏訪              西餅屋       +−○美ヶ原  ◎−>岡谷            Λ        |  美術館  |        霧ヶ峰  八島 |    扉峠  |  ○上諏訪  池の  ○ ・−○−−−−+−−○−−−○美ヶ原落合  |清水町  くるみ |/     |/      /  ○−−−○−−○−−○      ○東餅屋   / 普門寺 霧ヶ峰   /霧ヶ峰インター 西餅屋<−○上和田     農場   / チェンジ    下諏訪  |    長窪         ○車山             |長久保 古町         |高原  姫木平 鷹山  ・−−○−○−−○−>丸子町・上田     西白樺湖○   ○中央  ○  /  大門   /         |\  |   /  /   落合  /      東白樺湖○ ・−+−−○−−○入大門    /        /|     大門追分   宇山○−・    奥白樺○ |蓼科           /|蓼科      保育      保養セ      /  |牧場        芦田/ ○高校  西塩  所前      ンター   南平○−○−○−−○−−○−−○−−○  |前  ○沢  ・−○    鴇久 ○    / 小松川  女神湖 雨境 芦田 |\ |  /|  /  |    保口 |   /  寮入口         古町 | ・○−○−○−・ 御牧○  県立 ○−○−・  ○                  | 立科 東塩 観音 上  \ 農大/|小諸 | 蓼科温泉             茂田井○ 野方 沢  坂      ○−○ ○大久保|高峰                      \            いち  山浦   |温泉                       \           ご平     小諸◎−>                        ○望月                 |                         \         塩名田      |                          ・−−−−−−−−−○−−−−−−−・ ※下諏訪〜西餅屋〜東餅屋は和田峠南線、上和田〜大門落合〜長窪古町〜丸子町〜  上田、上和田〜美ヶ原落合は和田峠北線 ※白樺高原本線の西白樺湖〜霧ヶ峰〜東餅屋〜山本小屋〜美ヶ原美術館は、関東地自  (小諸自営)及び中部地自(下諏訪自営)の共管区間。霧ヶ峰線は中部地自(下諏  訪自営)所管。それ以外の区間は関東地自(小諸自営)所管。 2. 路線解説 2.1 当時の運行状況 ・白樺高原線は、1940(S15)年11月15日に白樺湖線(諏訪線の支線)大門落合〜  入大門が開業(1952(S27)年7月1日に白樺湖まで延伸)し、1955(S30)年3  月15日に白樺湖線白樺湖〜芦田〜長窪古町が開業し、1957(S32)年3月2日に  小諸本線小諸〜県営農場前(→県営農大前)〜芦田、立科野方〜宇山が開業  したのがルーツで、同時に小諸線の部に再編成された。 ・この間、1950(S25)年10月16日に和田峠線入大門〜小茂ヶ谷が開業した。 ・1953(S28)年12月30日には、貨物路線として千曲線(上田駅前〜小海駅前(  1972(S47)年8月1日廃止)、上田駅前〜小諸駅前、乙女駅前〜軽井沢駅前、  岩村田駅前〜芦田、岩村田駅前〜本追分(以上の区間は1958(S33)年6月末  限りで廃止公示))が開業した。 ・1957(S32)年10月1日に小諸大久保〜県営農場前、1960(S35)年8月25日に  信濃三本松〜東白樺湖が開業した。 ・小諸線は諏訪線(→和田峠南線)と連絡し中央線と信越線を短絡する使命を  有していた。また、その開業により、霧ヶ峰高原、蓼科高原、白樺湖及び美  ヶ原高原等の一連の観光地帯への連絡が容易にできるようになり、観光路線  の使命を帯びるに至った。その後、1969(S44)年7月1日に小諸〜望月〜芦田  が開業した。 さらに、1972(S47)年に小諸線は白樺高原線に改称された。 ・「国鉄自動車三十年史」(1961(S36)年)には、美ヶ原、白樺湖の季節輸送につ  いても、その遊覧客の増加とともに信越地自管内のみでは運用車の余裕がない  ので、十和田に準じた措置がとられていると述べられている。 ・1964(S39)年6月1日に夢の平線蓼科牧場〜信濃赤谷が開業し、1965(S40)年  8月3日に大河原峠〜富貴の平、1967(S42)年7月に富貴の平〜春日温泉の  各区間が延伸された。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1964(S39)年9月号(8/20現在)によると、小諸  線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。  (小諸本線)    小諸〜白樺湖 下り7本・上り8本(所要2時間15分)    丸子町〜大門落合〜白樺湖 下り3本・上り4本(所要1時間22〜40分)    山本小屋〜白樺湖 下り6本・上り5本(所要2時間半)    小諸〜長久保〜上和田〜下諏訪 1往復(所要4時間5〜55分)    小諸〜長久保 下り2本・上り1本(所要1時間40分)  (霧ヶ峰線)    上諏訪〜霧ヶ峰 3往復(所要約1時間12分)  (美ヶ原線)    浅間温泉〜天狗の露地 6往復(うち1往復は10/1から土日運転)(所要     1時間30〜35分) ・1965(S40)年8月3日、白樺湖線信濃三本松〜南平〜蓼科温泉、八子ヶ峰公園口  〜八子ヶ峰公園が開業した。 ・1966(S41)年4月1日に観音坂〜西塩沢〜立科野方が開業した。 ・1968(S43)年8月1日、霧ヶ峰線として霧ヶ峰〜白樺湖が開業した。 ・1969(S44)年7月1日に小諸〜望月〜芦田、御牧原線県営農場前〜片倉、夢の平  線望月〜春日温泉の各区間が開業した。 ・1970(S45)年7月12日、八子ヶ峰線八子ヶ峰公園口〜八子ヶ峰公園が廃止された。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1970(S45)年8月号(7/20改正)によると、小諸  線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。  (小諸本線)    小諸〜望月〜芦田〜東・西白樺湖 4往復(所要1時間49分)    小諸〜望月〜春日〜東白樺湖 2往復(所要3時間5分)     小諸〜農大〜芦田〜東・西白樺湖 1往復(所要約1時間55分)    小諸〜農大〜芦田 7往復    下諏訪〜東餅屋〜上和田〜扉峠口〜扉峠 1往復(8/2〜21運転)(所要     2時間14分)    上田〜長久保〜大門落合〜東白樺湖 下り5本・上り4本(所要1時間48分)    山本小屋〜上和田〜長久保〜東白樺湖  下り5本(うち8/31まで運転3     本)・上り4本(うち8/31まで運転3本)(所要2時間8分)  (蓼科高原線)    東白樺湖〜蓼科温泉 6往復(うち8/31まで運転4往復)  (霧ヶ峰線)    東白樺湖〜霧ヶ峰〜池のくるみ〜上諏訪 5往復(所要約1時間26分) ・「トピック・コーナー−白樺高原線−」(「国鉄線」1972(S47)年8月号所収)  には、白樺高原に入るには、現時点では中央線口からの入込が圧倒的に多いが、  将来は信越線口からの入込客の増加が予想されている。それはS47年度から小諸  〜白樺湖間(43.4km)に大型リアーエンジンバス638形高性能車を投入して13分  の時間短縮を図った結果、信越線経由の所要時間が中央線経由と全く同じにな  ったからであると述べている。また、国鉄では高性能車両投入を機会に、白樺  湖を車両基地とした夏山輸送体制を整えるともある。 ・「観光路線で活躍する国鉄バス」(「国鉄線」1973(S48)年2月号所収)には、  道路改善によって小諸〜白樺湖間が13分短縮されて小諸から白樺湖まで1時  間20分となった。その結果、上野から小諸経由で白樺湖まで3時間49分となり  新宿から中央線、茅野経由での所要時間に比べて17分短縮された。この輸送  改善によって小諸口からの観光客が大幅に増加しているとある。また「ビー  ナスライン」も霧ヶ峰から八島高原まで延長され将来は美ヶ原を経由して松  本まで全通の予定と述べられている。  (白樺高原線の輸送量と収入)             輸送人員 収入    1971(S46)年度実績 627千人 156百万円    1972(S47)年度見込 697千人 182百万円 ・座談会「レールのよきパートナーとして−自動車営業所長大いに語る」(「国  鉄線」1973(S48)年8月号所収)には、小諸自営所長の発言として、次のような  内容が載っている。   当自営管内では白樺高原線がドル箱で7〜8月の2か月間に自営全収入の40   %、約1億円を稼がなければならないので作戦を練っている。   夏の陣にあっては、観光直通便の設定(妙高1号・あさま51号とのタイアッ   プで上田〜白樺湖を直通輸送、妙高2号を小諸で受けて白樺湖直通便を運行)   と白樺湖を中心として蓼科牧場、霧ヶ峰方面への循環臨時便を設定して増収   を図る。   白樺湖に夏季車両基地を設置して車両3両、要員6名を配置し、臨時便運行   による小諸〜東白樺湖の回送ロスをなくす。これによる走行キロ削減が約63   00kmと見込まれる。   ガイドは、元職員で今はママさんになっている人によくお願いして、うちの   臨雇に来て下さいということでママさん8名、他臨雇関係30名を目下募集中。   あと管理職、助勤手配の20名で今夏を乗り切ろうとしている。 ・横江明「国鉄自動車(その6)−シリーズ 営業を考える−」(「国鉄線」  1976(S51)年8月号所収)には、観光路線の輸送手配について、次のように  述べられていた。  「旅客の集中する時期においては、その観光路線を担当する一地方局・部   の輸送能力では、輸送力的に対応できず、本社の輸送手配によって、輸   送力を整備充実させているのが現状である。」  「現在、本社手配によって輸送力を集中させている箇所としては、国鉄自   動車最大の観光路線である十和田南・北線、白樺高原線がある。また、   地方局・部独自に輸送力の集中手配を行っている路線としては、北海道   のえりも観光の日勝線、東北のリアス海岸観光の陸中海岸線、関東の草   津温泉を中心とした志賀草津高原線、もみじラインの塩原線、南房観光   の南房州線、能登観光の奥能登線、小浜観光の若江線、高雄のもみじラ   イン観光の京鶴線、奥熊野観光の熊野線、松山高知観光の松山高知急行   線、陰陽連絡の防長線、秋芳洞観光の秋吉線、桜島観光の桜島線等があ   げられる。」  「このような路線についての手配を車両でいうと、新製車両を重点的にこ   うした観光路線に配属し、ピーク輸送終了後、各営業所に再配属すると   いう輸送手配である。」 ・「われら第一線−小諸自動車営業所−」(「国鉄線」1976(S51)年8月号所収)  には、小諸自営(本所、長久保支所、松本支所)は職員数108名、配置車両49  両、年間輸送人員173万人に上っているとある。自営で最も忙しくなる時期が  夏山の輸送時期であり、この時期に本所の年間収入の6割近くの収入を上げて  いる。本所には30名の運転係がいるがうち12名が営業係兼務で、ピーク時は  運転士としてハンドルを持つがその他の時期は車掌をすると述べられている。  それでも夏山の時期は人手が足らなくて自営にいる職員総出でお客さんの整理  誘導に当たることもある。小諸〜東白樺湖間の「しらかばこ号」は、S50年5  月1日からマルスによる座席予約が始まり、乗車人員の把握に役立ち夏の波動  対策の一翼を担っている。現在の東白樺湖駅は近い将来、道路を隔てた斜め向  かいの建物の一角に移転する予定で、新駅舎には派出所が置かれ、助役1名、  営業デスク1名を常駐させてバス回送によるロスをなくし運行効率を上げる予  定と述べられている。 ・座談会「つばめのマークは今日も行く−自動車営業所長大いに語る」(「国鉄  線」1976(S51)年11月号所収)には、小諸自営所長の発言として、ピークの夏  山輸送は要員が足りないので、新潟鉄道管理局から最大15名程度の応援を得て  対応しているとある。 ・1977(S52)年6月1日に御牧上〜畔田、同年8月10日に東餅屋〜扉峠が開業した。 ・1977(S52)年8月にビーナスラインを通る東餅屋〜扉峠が開業(1976(S51)年9  月から臨時経営により運行開始)し、1982(S57)年4月25日に扉峠〜美ヶ原落合  及び山本小屋〜美ヶ原美術館が開業した。 ・1978(S53)年4月末限りで大門追分〜鷹山が廃止された(1980(S55)年6月16日  に再開業)。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1978(S53)年10月号(8/11現在)によると、白樺  高原線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。  (白樺高原本線)    小諸〜望月〜芦田〜東・西白樺湖 5往復(うち「しらかばこ号」2往     復)(所要1時間27分)    小諸〜農大〜芦田〜東・西白樺湖 4往復(所要約1時間35分)    下諏訪〜東餅屋〜扉峠 1往復(11/5までの土休日運転)(所要65分)    下諏訪〜東餅屋〜霧ヶ峰 下り3本(うち11/5までの土休日運転が1本)     ・上り2本(うち11/2までの土休日を除く毎日運転が1本)(所要1     時間14分)    東白樺湖〜霧ヶ峰〜東餅屋〜上和田〜山本小屋 2往復(11/5まで運転     )(所要3時間15〜35分)    東白樺湖〜長久保〜上和田〜山本小屋 下り1本(11/5まで運転)(所要     2時間20分)    東白樺湖〜霧ヶ峰 上り1本(所要26分)    霧ヶ峰〜東餅屋〜扉峠 下り2本・上り1本(11/5までの土休日運転)     (所要45〜55分)    長久保〜西白樺湖〜東白樺湖 下り4本・上り3本(所要43分)  (蓼科高原線)    東白樺湖〜蓼科温泉 3往復(11/5まで運転)  (霧ヶ峰線)    東白樺湖〜霧ヶ峰〜池のくるみ〜上諏訪 5往復(所要約1時間25分)    霧ヶ峰〜池のくるみ〜上諏訪 下り3本(うち11/5までの土休日運転が     2本)・上り2本(うち11/5までの土休日運転が1本) ・1979(S54)年6月末限りで県立農大前〜片倉が廃止された。 ・「国鉄自動車五十年史」には、鉄道と直結する観光路線は一般的に収益性も  高いので、当該年度の新製車両も全面的に観光路線を中心に投入することと  したと述べられている。また、1975(S50)年度から白樺高原線の座席予約の  電算化(マルス化)を実施し鉄道との通し旅客の誘致とサービス向上を図っ  たとある。なお、ピーク期間中車両を集中して輸送力の増加を図る観光路線  の1つに白樺高原線(白樺湖・山本小屋輸送)が挙げられている。1979(S54)  年度における新製車両の主要観光路線波動輸送充当状況をみると、白樺高原  線については、第1次配属として小諸自営に5形車16両、下諏訪自営に5形  車4両の計20両が配属され、最終配属は小諸の16両のうち9両が京都自営、  7両が松山自営、下諏訪の4両は全車新居町自営であった。 ・1980(S55)年9月末限りで望月〜大河原峠の廃止が公示された。 ・1981(S56)年4月25日、ビーナスラインの扉峠〜美ヶ原美術館の供用開始によ  り同線は全線開通となった。これに伴って同年8月14日〜同年11月4日の間、  当面臨時経営により同区間の乗り入れを行うこととなった。1981(S56)年度の  運行回数は国鉄6往復、松本電鉄4往復、諏訪バス2往復、千曲自動車3往  復であり、国鉄の運行系統は次の通りであった。(交通協力会「交通年鑑」  1982年版による。)    下諏訪〜山本小屋 2往復(美術館経由片1回)    霧ヶ峰〜山本小屋(美術館経由) 2往復    東餅屋〜山本小屋(美術館経由) 2往復 ・1984(S59)年3月末限りで山浦〜県立農大前が廃止された。 ・1985(S60)年3月10日に蓼科牧場〜大河原峠の廃止公示がなされ、同年4月1  日に御牧上〜畔田の廃止が公示された。 ・信越地方自動車部の廃止に伴って、1985(S60)年3月20日に白樺高原線を含む  小諸自動車営業所は関東地方自動車局に移管された。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1985(S60)年9月号(8/1現在)によると、白樺  高原線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。  (白樺高原本線)    小諸〜望月〜芦田〜東白樺湖 3往復(うち11/4まで運転、8/31まで運     転各1往復)(所要1時間27分)    小諸〜農大〜芦田〜東・西白樺湖 下り7本(うち8/31まで運転1本)     ・上り6本(所要約1時間35分)    小諸〜農大〜芦田 4往復(所要約45分)    下諏訪〜東餅屋〜山本小屋 下り1本(9/1〜16の土休日運転)・上り     2本(うち9/16まで運転、8/31まで運転各1本)    東白樺湖〜霧ヶ峰〜東餅屋〜山本小屋 3往復(うち11/4まで運転が     2往復、8/31まで運転1往復)(所要1時間38〜44分)    東白樺湖〜長久保〜上和田〜山本小屋 上り1本(8/31まで運転)(所要     2時間5分)    東白樺湖〜霧ヶ峰 1往復(8/31まで運転)(所要49分)    霧ヶ峰〜東餅屋〜山本小屋 下り5本(うち9/16まで運転3本、8/31ま     で運転1本、9/16まで毎日と9/21〜11/4の土休日運転1本)・上り4     本(うち9/16まで運転2本、9/1〜16の土休日運転1本、9/16まで毎     日と9/21〜11/4の土休日運転1本)(所要1時間14分)    長久保〜西白樺湖〜東白樺湖 下り3本・上り4本(所要45分)  (蓼科高原線)    東白樺湖〜蓼科温泉 3往復  (霧ヶ峰線)    東白樺湖〜霧ヶ峰〜池のくるみ〜上諏訪 5往復(所要約1時間20分)    霧ヶ峰〜池のくるみ〜上諏訪 3往復(うち9/16まで運転が下り2本、     9/1まで毎日と9/7〜16の土休日運転が上り1本) ・1985(S60)年当時、(自)小諸、芦田、蓼科牧場、東白樺湖、西白樺湖及び県  立農大前に自動車駅が存在した。また、国鉄バス運行の拠点として、小諸自  動車営業所(小諸市内)が置かれていた。 2.2 旅から30年 ・国鉄最末期の1987(S62)年1月28日に鷹山〜鷹山スキー場が開業した。 ・国鉄民営化及び自動車分離を経て、白樺高原線はJRバス関東に継承された。 ・1988(S63)年11月4日に小諸〜望月〜芦田が廃止された。1991(H3)年12月28日に  霧ヶ峰線霧ヶ峰〜池のくるみ〜上諏訪が廃止された。1992(H4)年3月末限りで  蓼科高原線(蓼科牧場〜南平〜蓼科温泉及び南平〜東白樺湖)が廃止された。 ・小諸営業所管内「JRバス時刻表」1992(H4)年4月25日改正(11/4迄のダイヤ)  によると、白樺高原線には次のような系統が設定されていた。    小諸〜農大〜芦田〜東白樺湖 6往復(うち7/19〜8/23運転1往復、下り     2本・上り3本は塩沢新田経由)(所要約1時間半)    小諸〜農大〜芦田〜蓼科牧場 1往復(塩沢新田経由)(所要1時間19分)    小諸〜農大〜芦田 2往復(うち下り1本は土日祭休校日以外山浦経由、     下り1本・上り2本は塩沢新田経由)    小諸〜農大〜いちご平 下り4本(うち土曜運転休校日運休、土日祭休校     日運休各1本)・上り4本(うち日祭休校日運休、土曜運転休校日運休、     土日祭休校日運休各1本)    女神湖〜蓼科牧場〜東白樺湖 1往復(7/19〜8/23運転) ・1994(H6)年12月3日に立科野方〜蓼科高校前及び芦田〜宇山が廃止された。 ・1996(H8)年3月末限りで観音坂〜東塩沢(直行ルート)が、同年10月に大門追  分〜姫木平中央がそれぞれ廃止された。 ・北陸(長野)新幹線開業に伴って、1997(H9)年10月1日から白樺高原線(白樺  湖系統)を佐久平駅に乗り入れ開始した(佐久平駅〜望月〜芦田が開業(望月  〜芦田は再開))。同時に「御牧原線」の保育所前以遠(保育所前〜観音坂〜  塩沢新田〜東塩沢〜立科野方〜芦田)が廃止された。 ・「JRガゼット」1998(H10)年○月号には、1997(H9)年10月の「長野行(北陸)  新幹線」の開業に合わせて、JRバス関東はJR東日本と連携し、軽井沢から万  座・草津温泉へ、佐久平から白樺高原及び高峰高原へのアクセスバス輸送をそれ  ぞれ地元のバス会社とともに運行開始した、一方、JR東日本では広域周遊型企  画乗車券として「軽井沢・草津フリーきっぷ」の充実と「蓼科・白樺ルートきっ  ぷ」の新設を図ったと述べられていた。 ・小諸支店「白樺高原線時刻表」2002(H14)年9月1日改正によると、白樺高原  線には次のような系統が設定されていた。    佐久平駅〜望月〜芦田〜蓼科牧場〜東白樺湖 2往復    (下り)      佐久平駅1550→1659東白樺湖      佐久平駅1745→1854東白樺湖    (上り)      東白樺湖0710→0819佐久平駅      東白樺湖1710→1819佐久平駅    佐久平駅〜望月〜芦田〜蓼科牧場 1往復(土日祝は芦田〜蓼科牧場運休)    (下り)      佐久平駅1830→1930蓼科牧場    (上り)      蓼科牧場0615→0715佐久平駅 ・小諸支店「御牧原線時刻表」2002(H14)年4月1日改正によると、御牧原線に  は次のような系統が設定されていた。    小諸〜農大〜保育所前 3往復(うち土日祝運休2往復、日祝運休1往復)    小諸〜農大〜いちご平 下り5本(うち日祝運休、2・4土日祝運休各1     本)・上り6本(うち日祝運休1本、土日祝運休2本、土日祝運転1本、     2・4土日祝運休1本) ・2002(H14)年11月末限りで「御牧原線」をいちご平発着に短縮した(いちご平〜  保育所前を廃止)。 ・2004(H16)年12月、同年度の夏季運行をもって、佐久平駅〜望月〜芦田〜東白  樺湖、東白樺湖〜霧ヶ峰〜東餅屋〜山本小屋〜美ヶ原美術館及び西白樺湖〜姫  木平中央を廃止した。 ・小諸市コミュニティバス「小諸すみれ号」の運行開始に伴って、2007(H19)年  9月末限りで「御牧原線」(小諸〜県立農大前〜いちご平、小諸大久保〜山浦  及び中山団地前〜あぐりの湯)が廃止された。 2.3 旅の考察 ・1977(S52)年8月の「駅営業範囲一覧」によると、白樺高原線には接続駅(小  諸)の他、県営農場前、芦田、蓼科牧場、東白樺湖及び西白樺湖に第二種委託  駅(自動車駅)が、入大門に貨物を扱う無人駅が置かれていた。
※補足 国鉄バス「美ヶ原高原線」について ・国鉄バス「美ヶ原高原線」は、小諸自営松本支所(その起源は区間貨物運輸の  基地として1947(S22)年12月20日に開設された明科自動車区)が浅間温泉〜天狗  の露地(→美ヶ原高原)で運行(臨時経営)していた路線である。後述のよう  に毎年シーズンごとに臨時経営承認を得て運行した路線であることから、この  路線は「国鉄自動車路線名称」に登載されたことがなかった。また、路線の改  廃に関して公示されることもなかった。 ・その開設経緯を、国鉄新潟支社(1967)「三十年史」に基づいて概観すると、  1956(S31)年、本郷村森林組合が美鈴湖〜武石峠に開削した林道を利用して、  美ヶ原高原登山客の利便を図るため、同区間の国鉄バス運行を地元から陳情  されたのが発端である。この区間には林道と旧県道が並行している個所があり、  林道か県道かで紛争を起こし、関係官庁・関係業者と折衝の結果、1957(S32)  年12月に上浅間〜武石峠間の臨時経営(期間はS32.12.10〜S33.3.31)が承認  された。その後シーズン毎に臨時経営の手続きを経ているが、本免許について  関係業者である松本電鉄と基本的了解が成立(1961(S36)年12月)し、松本〜  美ヶ原〜長久保〜小諸間を運行することとなったが、なお話し合いに食い違い  があって実施が遅れていると述べられていた。 ・「日本国有鉄道監修時刻表」1961(S36)年10月号(8/28訂補)によると、「美ヶ原  線」には次のような系統が設定されていたのを確認できる。  (下り)    浅間温泉0800→0940天狗の露地    浅間温泉0900→1040天狗の露地    浅間温泉1320→1500天狗の露地  (上り)    天狗の露地1100→1235浅間温泉    天狗の露地1300→1435浅間温泉    天狗の露地1600→1735浅間温泉 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1964(S39)年9月号(8/20現在)によると、「美  ヶ原線」のダイヤは次の通りであった。  (下り)    浅間温泉0630→0805天狗の露地 10/1から土日運転    浅間温泉0800→0935天狗の露地    浅間温泉0900→1035天狗の露地    浅間温泉1000→1135天狗の露地    浅間温泉1230→1405天狗の露地    浅間温泉1320→1455天狗の露地  (上り)    天狗の露地0815→0945浅間温泉 10/1から土日運転    天狗の露地1030→1200浅間温泉    天狗の露地1130→1300浅間温泉    天狗の露地1230→1400浅間温泉    天狗の露地1430→1600浅間温泉    天狗の露地1600→1730浅間温泉 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1970(S45)年8月号(7/19改正)によると、「美  ヶ原高原線」のダイヤは次の通りであった。  (下り)    浅間温泉0800→0920天狗の露地    浅間温泉0900→1020天狗の露地    浅間温泉1100→1220天狗の露地    浅間温泉1200→1320天狗の露地    浅間温泉1300→1420天狗の露地    浅間温泉1430→1550天狗の露地  (上り)    天狗の露地1000→1115浅間温泉    天狗の露地1100→1215浅間温泉    天狗の露地1300→1415浅間温泉    天狗の露地1400→1515浅間温泉    天狗の露地1500→1615浅間温泉    天狗の露地1630→1745浅間温泉 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1975(S50)年3月号(1/10現在)によると、「美  ヶ原高原線」のダイヤは次の通りであった(3/1〜4/26運転)。  (下り)    浅間温泉0900→0918美鈴湖    浅間温泉1000→1018美鈴湖    浅間温泉1340→1358美鈴湖  (上り)    美鈴湖0934→0954浅間温泉    美鈴湖1130→1150浅間温泉    美鈴湖1500→1520浅間温泉 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1978(S353)年10月号(8/11現在)によると、「美  ヶ原高原線」のダイヤは次の通りであった(11/6時刻改正予定)。  (下り)    浅間温泉0800→0910美ヶ原高原    浅間温泉0900→1010美ヶ原高原    浅間温泉1120→1230美ヶ原高原    浅間温泉1250→1400美ヶ原高原    浅間温泉1350→1500美ヶ原高原  (上り)    美ヶ原高原1000→1105浅間温泉    美ヶ原高原1100→1205浅間温泉    美ヶ原高原1300→1405浅間温泉    美ヶ原高原1430→1535浅間温泉    美ヶ原高原1530→1635浅間温泉 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1982(S57)年12月号(11/1現在)によると、「美  ヶ原高原線」のダイヤは次の通りであった。「全便11/23まで運転(11/24から  運休)」との注記が付されていた。  (下り)    浅間温泉0800→0910美ヶ原高原 休日運転    浅間温泉0900→1010美ヶ原高原    浅間温泉1150→1300美ヶ原高原    浅間温泉1350→1500美ヶ原高原  (上り)    美ヶ原高原0940→1045浅間温泉 休日運転    美ヶ原高原1040→1145浅間温泉    美ヶ原高原1330→1435浅間温泉    美ヶ原高原1530→1635浅間温泉 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1983(S58)年10月号には「美ヶ原高原線」は、既  に掲載されていなかった。
1985・夏 国鉄バスネットワークの記録 【305】高峰高原線 1. S60.6時点の路線紹介 1.1 路線名称 ◇高峰高原線    1 小諸−車坂峠−湯ノ丸    2 浅間橋−浅間山荘前    3 車坂峠−高峰ロッヂ前 1.2 路線略図             農場口              Λ      ○湯ノ丸    |       \      ○農場前        \     ・     高峰温泉○   ・         |  ・      車坂峠○−○高峰ロッヂ前         | (→高峰スキー場)         ・          \        浅間橋○−−○浅間山荘前           |        水源地○           |           |           ○小諸           |善光寺         ・−・         |       荒町○           |  県立農大前<−◎−>望月         小諸 ※高峰温泉〜湯ノ丸は1978(S53).8.11の時点で既に休止中 ※農場口〜農場前〜高峰ロッヂ前〜車坂峠は鹿沢菅平線(農場前〜高峰ロッヂ前  は1972(S47).9.16廃止、高峰ロッヂ前〜車坂峠は高峰高原線に編入) 2. 路線解説 2.1 当時の運行状況 ・高峰高原線は、1957(S32)年7月2日に浅間線(小諸線の支線)小諸〜浅間山荘  前が開業したのがルーツで、1958(S33)年8月20日に浅間橋〜車坂峠、1959(S34)  年11月1日に車坂峠〜高峰温泉口が開業した。その後、1971(S46)年7月10日に  高峰温泉口〜湯ノ丸が開業し、1972(S47)年に高峰高原線に改称された。 ・「鉄道辞典・上巻」(1958(S33)年)には、小諸線(浅間線)の開業によって、  浅間登山も簡単にできるようになったと述べられていた。 ・1962(S37)年10月13日に吾妻線の支線として浅間北線(→鹿沢菅平線)農場口〜  車坂峠が開業し、小諸方面と上州大津・草津温泉方面が浅間南(→高峰高原線)  ・北線を介してつながった(鹿沢菅平線農場前〜高峰ロッヂ前は1972(S47)年9  月16日に廃止され、残った高峰ロッヂ前〜車坂峠は高峰高原線に編入された)。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1964(S39)年9月号(8/20現在)によると、浅間南  ・北線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    小諸〜高峰温泉口〜新鹿沢温泉〜長野原 1往復(所要3時間35〜40分)    小諸〜高峰温泉口〜新鹿沢温泉〜草津温泉 1往復(所要4時間9〜39分)    小諸〜高峰温泉口〜新鹿沢温泉〜鹿沢温泉 2往復(所要2時間35分)    小諸〜高峰温泉口〜新鹿沢温泉 1往復(所要2時間15〜20分)    小諸〜浅間山荘 3往復(所要52分) ・国鉄新潟支社(1967)「三十年史」には、関東地自で新鹿沢〜車坂峠の路線を延長  したので、信越地自(小諸自営)と相互に小諸〜新鹿沢〜草津間の直通運行を実  施していると述べられている。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1970(S45)年8月号(7/20改正)によると、浅間南線  には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    小諸〜高峰温泉口 4往復(所要1時間6分)    小諸〜車坂峠 1往復(休日運転)(所要1時間)    小諸〜浅間山荘 3往復(うち休日運転1往復)(所要43分)    小諸〜水源池 5往復(所要20分) ・交通協力会「交通年鑑」1972年版には、1971(S46).7.10に小諸線高峰温泉口〜湯  の丸間7.3km開業とある。運行系統は小諸〜高峰温泉口〜湯の丸で1日2往復運行  していると述べられている。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1978(S53)年10月号(8/11現在)によると、高峰高原  線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    小諸〜高峰温泉口 2往復(所要53分)    小諸〜水源池 下り3本(うち休日運休1本)・上り2本(所要22分) ・信越地方自動車部の廃止に伴って、1985(S60)年3月20日に、高峰高原線を含む小  諸自営は関東地方自動車局に移管された。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1985(S60)年9月号(8/1現在)によると、高峰高原  線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    小諸〜高峰温泉口 3往復(所要53分、うち1往復は8/31まで運転)    小諸〜水源池 下り5本・上り6本(うち休日運休1本)(所要19分) ・1985(S60)年当時、(自)小諸に自動車駅が存在した。また、国鉄バス運行の拠  点として、小諸自動車営業所(小諸市内)が置かれていた。 2.2 旅から30年 ・国鉄最末期の1987(S62)年3月15日に高峰温泉〜湯ノ丸の廃止が公示された。 ・国鉄民営化及び自動車分離を経て、高峰高原線はJRバス関東に継承された。 ・小諸営業所管内「JRバス時刻表」1992(H4)年4月25日改正(11/4迄のダイヤ)に  よると、高峰高原線には次のような系統が設定されていた。    小諸〜高峰温泉 3往復(うち7/19〜8/23運転が1往復)    小諸〜水源地 下り3本・上り4本(うち日祭日運休1本) ・1994(H6)年11月17日に浅間橋〜浅間山荘前が廃止された(後述のように後に再開)。 ・北陸(長野)新幹線の開業に伴って、1997(H9)年10月1日に高峰高原線は佐久平駅  に乗り入れを開始した(小諸〜佐久平駅を開業)。 ・「JRガゼット」1998(H10)年○月号には、1997(H9)年10月の「長野行(北陸)  新幹線」の開業に合わせて、JRバス関東はJR東日本と連携し、軽井沢から万  座・草津温泉へ、佐久平から白樺高原及び高峰高原へのアクセスバス輸送をそれ  ぞれ地元のバス会社とともに運行開始した、一方、JR東日本では広域周遊型企  画乗車券として「軽井沢・草津フリーきっぷ」の充実と「蓼科・白樺ルートきっ  ぷ」の新設を図ったと述べられていた。 ・1999(H11)年4月29日、きのこの森〜菱野温泉が開業するとともに、浅間橋〜浅間  山荘が開業(再開)した。 ・小諸支店「高峰高原線時刻表」2002(H14)年4月1日改正によると、高峰高原  線には次のような系統が設定されていた。    佐久平駅〜高峰温泉 3往復(うち6/1〜10/31運転1往復)    小諸〜浅間山荘 2往復(7/20〜9/30の土日祝運転)    小諸〜菱野温泉 2往復(7/20〜9/30の土日祝運休)    小諸〜きのこの森 3往復(うち日祝及び7/20〜9/30の土日祝運休、6/1     〜10/31運休、土日祝運休各1往復) ・2007(H19)年10月1日に小諸市コミュニティバス「小諸すみれ号」の運行開始に伴  って、高峰高原線のきのこの森系統が廃止された(きのこの森〜常盤館前は、この  時に廃止された模様。(浅間橋→)浅間登山口〜浅間山荘は浅間山山開きのみ運転  となった模様)。 ・2015(H27)年6月現在、高峰高原線は佐久平駅〜小諸〜高峰温泉(冬季はアサマ  2000スキー場)がJRバス関東によって運行されている。このうち一部便は新宿  〜小諸の高速バスが小諸以北を一般路線バスとして延長運行されるものである。 2.3 旅の考察 ・1977(S52)年8月の「駅営業範囲一覧」によると、高峰高原線には接続駅(小諸)  のみ置かれていた。

1985・夏 国鉄バスネットワークの記録 【306】和田峠北線 1. S60.6時点の路線紹介 1.1 路線名称 ◇和田峠北線    1 上田−上和田    2 中立岩−信濃松島−長窪古町    3 上和田−美ヶ原落合 1.2 路線略図         山本小屋○                   上田◎             +−○美ヶ原                |             |  美術館            大屋駅前◎             |          上余里       /            ・○美ヶ原落合      ●       /           /  \           ・  丸子町○          /    ○和田大石       ・    |         ○東餅屋   \       信濃松島○   ・        /|    扉峠口\          |\ /  下諏訪<−○−|−−○−−○−−○−・       | ○中立岩      西餅屋| 男女倉   上和田 \  長久保 |/         ○八島      大門落合○−−○−−○長窪古町         |            |     |\         V            V     V ○依田窪病院前        霧ヶ峰・         東白樺湖 芦田・小諸        東白樺湖 ※下諏訪〜上和田は和田峠南線、東白樺湖〜霧ヶ峰〜東餅屋〜美ヶ原落合〜  山本小屋、大門落合〜東白樺湖、小諸〜芦田〜長窪古町は白樺高原線 2. 路線解説 2.1 当時の運行状況 ・和田峠北線は、1933(S8)年3月23日に諏訪線の支線和田峠線の一部として上和  田〜丸子町が開業したのがルーツで、上田丸子電鉄丸子町と中央本線下諏訪と  を結ぶ鉄道短絡路線としての使命を有していた他、美ヶ原・白樺湖等の観光開  発及び地方産業文化の発展助長をも使命としていた。 ・戦後は、1954(S29)年5月27日に貨物路線として武石〜上本入が開業した。 ・同年6月30日、和田峠線上和田〜和田大石、1956(S31)年6月16日に中立岩〜  上余里の各区間が開業した。 ・「日本国有鉄道監修時刻表」1956(S31)年12月号(7/1改正)によると、和田峠北  線(当時は諏訪線)には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    上諏訪・下諏訪〜上和田〜長久保〜丸子町 下り6本・上り5本    丸子町〜大門落合〜白樺湖 2往復    丸子町〜美ヶ原口2往復 ・1957(S32)年7月18日に和田大石〜美ヶ原口(期間限定運行)が開業した。 ・1958(S33)年2月5日に長窪古町〜信濃松島が開業した。 ・和田峠線のうち上和田〜長久保〜丸子町他は、1957(S32)年に小諸線の部小諸  本線(→白樺高原本線)に編入され、1965(S40)年3月29日の丸子町〜上田間  開業を経て、1965(S40)年に上田〜上和田、中立岩〜上余里、長窪古町〜信濃  松島及び上和田〜山本小屋が和田峠北線として独立した。 ・「日本国有鉄道監修時刻表」1961(S36)年10月号(9/1現在)によると、和田峠北  線(当時は小諸線、諏訪線)には次のような系統が設定されていたのを確認で  きる。    小諸〜芦田〜長久保〜下諏訪 下り2本・上り1本    丸子町〜上和田 14往復    丸子町〜長久保 下りは0635〜2150、上りは0600〜2113の間頻繁運転    小諸〜美ヶ原口 2往復    丸子町〜長久保〜上和田〜下諏訪 7往復 ・1962(S37)年5月15日に美ヶ原口〜美ヶ原落合(期間限定運行)が開業した。 ・1970(S45)年2月16日に上田〜中之郷〜丸子町が廃止されて、上田〜大屋駅前  〜丸子町が開業した。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1970(S45)年8月号(7/19改正)によると、和田峠  北線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    上田・丸子町〜長久保〜上和田〜下諏訪 7往復    上田〜丸子町〜長久保〜上和田 下り2本・上り3本    上田〜丸子町〜長久保〜大門落合 下り1本    丸子町〜長久保〜上和田 5往復    丸子町〜長久保〜大門落合 下り1本    下諏訪〜上和田〜山本小屋 2往復    上田〜丸子町〜長久保〜上和田〜山本小屋 3往復(うち下り1本・上り     2本は8/31まで運転)    丸子町〜長久保〜上和田〜山本小屋 1往復(8/31まで運転)    上和田〜山本小屋 2往復 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1980(S55)年10月号(9/1改正)によると、和田峠  北線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    上田・丸子町〜長久保〜上和田〜下諏訪 下り4本・上り5本    長久保〜上和田〜下諏訪 下り1本    上和田〜下諏訪 1往復    上田〜丸子町〜長久保〜上和田 2往復    上田〜丸子町〜長久保〜入大門 下り1本    丸子町〜長久保〜上和田 下り5本・上り6本    丸子町〜長久保 下り1本    長久保〜上和田 下り1本    東白樺湖〜霧ヶ峰〜上和田〜山本小屋 2往復(11/4まで運転)    長久保〜山本小屋 下り1本・上り3本 ・信越地方自動車部の廃止に伴って、1985(S60)年3月20日に和田峠北線は関東地  方自動車局に移管された。 ・1985(S60)年5月1日に信濃松島〜上余里の廃止が公示された。 ・「国鉄監修交通公社の時刻表」1985(S60)年9月号(8/19改正)によると、和田峠  北線には次のような系統が設定されていたのを確認できる。    上田・丸子町〜長久保〜上和田〜下諏訪 5往復    上田〜丸子町〜長久保〜上和田 下り1本    上田〜丸子町〜長久保 2往復    丸子町〜長久保〜上和田 上り2本    丸子町〜長久保 上り3本    丸子町〜長久保〜上和田〜山本小屋 下り1本    長久保〜上和田〜山本小屋 下り3本(うち1本は8/31まで運転)・上り     4本(うち1本は8/31まで運転) ・1985(S60)年当時、線内の丸子町及び長久保に自動車駅が存在した(上和田駅は  和田峠南線所属)。また、国鉄バス運行の拠点として小諸自動車営業所長久保  支所(長久保)が置かれていた。 2.2 旅から30年 ・1986(S61)年12月の「国鉄自動車路線名称」全面改正で、長窪古町〜依田窪病院  前が認知された。 ・国鉄民営化及び自動車分離を経て、和田峠北線はJRバス関東に継承された。 ・1997(H9)年3月末限りでに上和田〜美ヶ原落合が廃止され、1998(H10)年3月末  限りで大門落合〜上和田が廃止された(これ以降はJRバス関東による貸切代替  運行を経て、和田村営バス、長和町営バス(JRバス関東に委託)となっている)。 ・2013(H25)年10月1日から丸子中央病院への乗入れを開始した。 ・2015(H27)年6月現在、上田〜丸子町〜長久保〜唐沢がJRバス関東によって運  行されている。また、長久保以西は長和町巡回バス(JRバス関東に委託)が  運行されている。 2.3 旅の考察 ・1977(S52)年8月の「駅営業範囲一覧」によると、和田峠北線には接続駅(上田  及び大屋)の他に、長久保に第一種委託駅(自動車駅)、丸子町、武石、長窪  古町、大門落合及び下和田上組に第二種委託駅(自動車駅)が置かれていた。

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