題名:本場南米のマテ茶の飲み方

98 年  6 月 24 日

 マテ茶で検索してページが見つかるなんて思いもしませんでした。
マテ茶も有名になったんですねぇ。でも、みなさんの声を聞いていると、
どうやらポットで出して飲んでるご様子。確かにそういう飲み方もありますが、
本場南米ではメジャーではありません。

 そこで、南米生活4年、いつもマテを欠かさない、この私が本場の飲み方をご紹介します。
でも、長くなるので、これ連載にさせてもらっていいですか?

 さて、本場では葉っぱをコップに7分目くらいまで入れて、そこにボンビージャと
呼ばれる主に金属製のストロー(飲み口と反対側は葉っぱがこせるようになっている)を
差し込んで、お湯をついでは飲み、またお湯をついでは飲む、という風に飲んでいます。

 マテ茶を飲むのは(南米に詳しくない方は地図のご用意を)ブラジル南部、パラグアイ、
アルゼンティン、ウルグアイ、チリの南部あたりです。
 もう、この辺りの人たちにとってはマテ茶は欠かせません。だから、家の中はもちろん、
どこへ行くにもマテセットを持っていきます。一日に何回でも飲みます。

 飲み方にも色々あります。パラグアイでは小さなコップを使って、回し飲みします。
つまり、誰かが「ずずっ」と飲み終えたら、ホスト役に返して、ホスト役がまたお湯を
ついでは次の人に回します。ブラジル南部でも回し飲みしますが、ここらへんでは
大きなヒョウタンでできたコップを使うので、いっぺんには飲み切れません。
一口飲んでは次に回し、また次の人に回し、お湯が切れた時点で、ホスト役がお湯を
つぎ足すわけです。

 アルゼンティンでは、衛生上の問題か、回し飲みをしません。みんな専用のマテセットを
持っています。もちろんお出かけの時にも持っていきます。だから、小さな魔法瓶を
持ち歩いている人間を見たらアルゼンティン人と思って間違いありません。
 さらに詳しいことは次の回にまわすとして、今号のブルータスに、小さいコップを使った
スタイルでマテを飲んでいるチェ・ゲバラの写真が載っています。参考にしてください。

題名:本場南米のマテ茶の飲み方 その2 98 年 7 月 6 日  南米ではマテ茶はコップの中にお湯を注いでは飲み、また注いでは飲むということを 前回紹介しましたが、マテの本場中の本場、パラグアイではお湯ではなく、冷たい水を 注いで飲むやりかたがあります。これをテレレといいます。パラグアイ人も寒いときや 朝はお湯を注いで飲みますが、そこは亜熱帯、昼間となればそんなもん飲んでられない。 で、要領は一緒で、氷の入った冷たい水の入ったポットから水をついでは飲み、水をつ いでは飲むわけです。このテレレというなんともしまりのない名前が示すように、亜熱 帯の木陰でこれを飲んで一休みしていると、気分転換どころか、労働意欲をなくしてし まうという優れもの。  で、パラグアイ人がテレレを飲むときに使うのが、多分みなさんが「ロースト」と呼 んでいるもの。お湯で飲むブラジルやアルゼンティンで飲まれる葉っぱは緑色をしてい て、これが多分みなさんが「グリーン」と呼んでいるもの。だから、ローストはコール ドマテ用なのですね。  元来パラグアイには野菜を食べる習慣がなかったのですが、それでもビタミンが摂れ ていたのは、このマテの葉っぱにビタミンがたくさんあったからだそうな。それに、パ ラグアイ人はマテを飲むにしても、テレレを飲むにしても、薬草を入れて飲むことが多 いので、まさに医飲同源。マテ奥深しです。  次回は、変わったマテ、テレレの飲み方をご紹介しましょう。  なお、スキャナーがないのでテレレグッズの写真が送れません。テレレグッズを見た い人は下記のURLへ。パラグアイの日系移民の農協のホームページに写真があります。  http://www.geocities.com/Tokyo/Temple/8632/wordt.html#3
題名:本場南米のマテ茶の飲み方 その3 98 年 10 月 18 日  随分とブランクが空いてしまいましたが、『本場南米のマテ茶の飲み方』最終回で す。  マテ茶文化圏で最大の都市、アルゼンティンはブエノス・アイレス。ここでは変 わった飲み方がなされています。  アルゼンティンではお湯でマテを飲みますが、人によっては、コップの中に砂糖を 入れる人がいます。これはけっこうポピュラーな飲み方のようです。  さらに温かいミルクを入れて飲む人もいます。マテ・オ・レ、或いは今風に言え ば、マテ・ラ・テといったところでしょうか。  最近、ブエノス・アイレスの若者でも、テレレ、つまり冷たいマテを飲む習慣が広 がっているようですが、そこは都会者のポルテーニョ(ブエノス・アイレスっ子)の こと、普通のテレレのように冷たい水を入れて飲んだりしません。なんとスプライト を入れて飲んでいるのです。私も試してみましたが、炭酸の泡がコップからすぐあふ れそうになって、ものすごく飲みにくかったです。あと、オレンジジュースを入れた りもするようです。  一番変わった飲み方はビールを入れて飲むやり方でしょう。でも、これは一時の ブームにすぎなかったらしく、今はそんな飲み方をする人はいないようです。  さて、これで私のマテ茶話は終わらせてもらいますが、疑問、質問いつでもお受け しています。どうぞ、下記のメールへご連絡ください。 マルコ  補足:ドイツの会社がマテを扱っていることが多いようですが、これは南米にドイ ツ移民が多いことに関係しているのでしょう。

次のお便り−>
マテ茶物語に戻る
まぼろしのマテ茶をもとめてに戻る

くまちゃんの不毛食品館に戻る